皆さんのオフィスでは、地震対策がなされているでしょうか。
東京消防庁の調べ(平成23年)によれば、2011年の東日本大震災では、東京都内の20%の職場でオフィス家具や家電製品などの転倒・落下・移動が発生し、特に高層階での発生件数が多かったといわれています。
オフィス家具の転倒・落下・移動防止対策は、地震が発生した際の社員やお客様のケガを防止することはもちろん、大切な書類やデータなどの経営資源を守り、事業を継続させていく上でも重要です。
今回は、地震発生時のオフィス家具の転倒や落下を防止させるポイントを3つ、ご紹介します。
【ポイント1】オフィス家具は安全な場所に設置
オフィス家具を、機能性だけを重視して配置していないでしょうか?
オフィス家具については、下記のポイントに注意して安全な場所に設置するようにしましょう。
- 背の高い家具は日常使用しているデスク周辺に置かない
- 避難経路のスペースを取った上で、オフィス家具の配置を考える
- オフィス家具の上部にものを置かない
- 仕切りや壁代わりとしてオフィス家具を使用しない
- オフィス家具を高い場所に設置している場合、万一落下しても被害が少ない場所に設置
オフィス家具の配置を考える際、効率性や機能重視の配置を優先しがちですが、上記の通り地震発生時の身の安全も考慮したレイアウトを考える必要があります。
【ポイント2】オフィス家具を固定する
家具の転倒や落下を防止する対策として、オフィス家具を固定することを考える必要があります。特に、大型のオフィス家具の場合は壁面に沿って設置すると同時に、床・壁の両方に固定することが効果的な転倒・落下・移動防止方法です。
家具を固定する際のポイントは下記の通りです。
- 金具やボルトを使用して床面や壁面に固定する
- 上下二段式の家具の場合は、上部が滑り落ちないよう上下を連結して固定する
- 左右や後ろにある家具と相互に連結する
- 引き出しや扉のうち、使用頻度が低い箇所は施錠する
- ガラスには飛散防止用フィルムを貼る
- 収納物のうち、重いものは下部に入れ、オフィス家具の重心を下げる
オフィス家具を固定しておくことはもちろん、固定していた器具が外れて家具が転倒するリスクも想定し、直接的な被害を及ぼしにくいように家具のレイアウトを工夫することも大切です。
【ポイント3】スチールラックを活用する
オフィスのあらゆるものを効率良く収納できるスチールラックは、安価で頑丈なだけではなく、転倒を防ぐ豊富なパーツもそろっているため、転倒・落下・移動防止対策として活用できます。収納ラックに突っ張り専用のポールをセットすれば安定性が大幅に向上します。
また、床との接触面に円形アジャスターなどのパーツをセットすれば、足元の安定感が増し、床も傷つけません。その他にも、サポート柵やワイヤーバー、サイドネットなどのさまざまな耐震・転倒防止用パーツがあるため、安心してラックを使用することができます。
スチールラックは女性1人でも組み立てが可能ですし、天井への固定も簡単。家具の転倒や落下を効果的に防止するアイテムといえるでしょう。
おわりに
震発生時には、職場ではオフィス家具の転倒や落下、棚からの落下物やガラスの破損など、さまざまなリスクに見舞われる可能性があります。また、地震直後には大きな影響がなかったとしても、家具が転倒することでその後の避難行動や周辺への救援活動が妨げられる可能性も考えられるでしょう。
地震はいつ発生するか分かりません。地震発生時の被害を最小限に抑えるために、オフィス家具の地震対策には日頃から万全を期し、転倒・落下対策、家具設置場所の工夫、避難通路の確保などに注意を払うようにしてください。