同じ職場、同じメンバーで長い期間倉庫作業をしていると、その環境に慣れてしまい、作業効率アップや安全管理が見落とされやすくなりがちです。結果として倉庫内の整理整頓が後回しになり、どんどん不要なものが溜まっていってしまうことになりかねません。
しかしながら、物流倉庫の整理整頓や収納方法に少しばかりの工夫を加えれば、倉庫作業の効率アップ、そしてけがや事故の発生防止にもつなげることができます。そこで今回は、物流倉庫の現場で役立つ整理整頓と収納のコツをご紹介します。
1.整理整頓の事前計画を立てる
倉庫内の整理整頓を行う場合、まずは事前に計画を立てることが大切です。
「いつ」「どこを」「誰が」「どのように整理整頓するのか」の計画を事前に立てておきましょう。そして、実際に整理整頓をする際にはどのような点に注意すれば良いのかを、整理整頓を行うメンバーと事前に打ち合わせておくことが重要です。
打ち合わせの際にぜひ意識してほしいのが、「5S活動」です。5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」を指します。
5S活動は良好な倉庫環境を作り上げる、またはキープさせる活動としてさまざまな現場で導入されている活動。この取り組みが現場で徹底されれば、倉庫環境の改善や、それに伴う作業効率アップが期待できます。
また、作業を行う従業員全員に整理整頓のルールを事前に印刷・配布、もしくはタブレット端末に送信しておけば、作業を行う際にスムーズになるためおすすめです。
2.不要品をチェック
整理整頓を始める前に、まずは倉庫内の不要品をチェックしましょう。
家庭での整理整頓では「いるもの」「いらないもの」「判断に困るもの」のボックスを用意してそこにものを入れる、という方法があります。この方法を踏襲し、何が不要なのかをチェックしましょう。
しかし、家庭での整理整頓方法のようにボックスに入れていく方法は、物品の多い物流倉庫の場合現実的ではありません。
そこで、不要品をチェックする方法としておすすめしたいのが「テープ」によるマーキングです。
テープは透明のものではなく、できるだけ色付きのものを使用してください。色付きのテープを使用することで、マーキングされているかどうかがひと目で分かります。
テープを用意したら複数人で担当箇所を決め、「不要」「不要かどうか判断に迷うもの」全てにテープを貼っていきましょう。複数人で実施すれば価値観の共有もでき、総合的な判断もしやすくなります。
「不要」と選別されたものは直ちに取り除き、また「判断に迷うもの」は3営業日、1週間などと判断保留の期間を決め、それまでに判断するようにしてください。
3.整頓と収納のルールを作る
必要と判断されたものを整頓・収納する方法としては、用途やカテゴリーで分けて収納、使用頻度で分けて収納、サイズで分けて収納などさまざまです。
時間的なロスが少なく、効率が良いと思われる整頓・収納方法の1つが「使用頻度で分けて収納」かつ「使用する場所の近くに置く」ことです。日常的に使用するものは使用者の手が届く位置に置くと効率的です。年に数回しか使わないなど、使用頻度の低いものは手の届きにくい場所(例えば倉庫の奥や脚立を使わないと届かない場所など)に保管すると良いでしょう。
物品の保管マップを作れば、倉庫の「見える化」が進められ、ものを探す際の時間短縮、ひいては倉庫作業の効率化にもつながります。
4.収納のための什器も点検
倉庫を整理整頓する際には、収納のための什器も点検しておくと安心です。古くなり耐久力が著しく低下したボックスや棚を使用し続けると、業務中に思わぬ事故が起きてしまうかもしれません。倉庫の整理整頓を進めて効率化を図ることと同時に、従業員の安全を守ることも非常に重要です。そのため、什器の入れ替えを検討する場合は使い勝手が良く耐久性も高いスチールラックの活用がおすすめです。
スチールラックは、棚板、フックなどのパーツの種類が豊富な上、サイズもバリエーションに富んでいます。設置スペースにピタリとはまるアジャスターや移動に便利なキャスターもあるため、これまでデッドスペースになっていた部分にも新たな収納を作ることができるでしょう。
おわりに
雑然とした物流倉庫では、作業の効率化、そして安全の確保は実現できません。
物品を使いやすく整理整頓・収納し、効率的に作業できる倉庫を目指しましょう。