商品の数量をカウントする「実地棚卸」は、コンピューターにすべて頼ることができない、人の手が必要な作業です。時間がかかればその分コストもかかるため、効率よく進めたいと願う担当者の方が多いのではないでしょうか。棚卸しを効率化するためには、倉庫の在庫管理に適した業務用ラックを選び、分かりやすい方法で保管しておくことが重要です。今回は、棚卸しや在庫管理に適した業務用ラックの選び方をご紹介します。
棚卸し作業のポイント
一般的な棚卸しの工程は、商品名や所在場所などを記したリストに、実際に確認した在庫数を書き入れていきます。もっとも避けたいのはカウントミスです。大量の在庫を数えていくと、どうしても起こりやすくなります。カウントミスの防止には、まず在庫の所在を明確にしておくことが大切です。特に、同じ場所にさまざまな種類の在庫がある場合には注意が必要です。
例えば、管轄が違う在庫品や、棚卸し対象品とそうでないものが混在している場合があります。逆に、修理等でその場に一時的にないものや、スペースの都合で一部分だけ別の場所にあるものなどの数え忘れも発生しやすくなります。
棚卸し作業&倉庫の在庫管理に適した業務用ラックとは?
それでは、どのような業務用ラックが棚卸し作業・在庫管理に適しているかを見ていきましょう。
大型サイズのラック
棚卸しの際は、在庫品が1カ所にまとまっている状態が理想的です。場所を移動せずに在庫を一気にカウントできるため、ミスを防ぎやすくなります。
奥行きが60センチある大型ラックであれば、コンテナボックスも縦にスッキリ収まります。縦に並べてラベリングすることで、さらに整理がしやすくなるでしょう。
ラックは幅180センチ、高さ200センチ以上の大型サイズもありますが、その他にもさまざまな種類から選べます。大きなラックを中心に、隙間には小型のラックも使用するなど、スペースを無駄にすることなく設置できます。
安定性の高いラック
多数の在庫を収納するためには、安定性の高いラックが必須です。そのためには、耐荷重がじゅうぶんなラックを選びましょう。耐荷重がじゅうぶんでない場合、在庫が増えるたびに置き場所を変更しなければならず、管理の負担が大きくなってしまいます。
業務用ラックは棚板1枚当たりの耐荷重が100キロ~500キロ以上と幅があるため、在庫の種類や重さを考慮してじゅうぶんな耐荷重のものを選びましょう。
また、転倒防止のための突っ張りポールを設置することで、さらに安定性を強化できます。
移動式ラック
業務用ラックを設置する際には、在庫の出し入れや棚卸し作業を考慮して人が通れるスペースを確保しなくてはなりません。人が入りにくい所は管理もおろそかになりやすいため、動線を意識して日頃からスムーズに在庫管理が行えるようにしておきましょう。
業務用ラックには、床にレールを敷いてスライドさせる移動式のものがあります。倉庫内が狭い場合は移動式ラックを設置することで、人が通るスペースと収納スペース双方を確保することが可能です。
汎用性の高いスチールラックを選ぼう
シンプルな業務用ラックは、収納するものを選ばない汎用性の高さもメリットです。棚板の高さを自由に変更でき、必要であれば棚板を追加することも可能なため、細かな在庫品の管理に活かすことができます。
耐荷重さえクリアすれば、コンテナを並べていたスチールラックにタイヤなどの重量のある部品を直接置くことも可能です。倉庫内の配置転換にも臨機応変に対応できるでしょう。
おわりに
棚卸し作業をスムーズにミスなく行うためには、効率的な倉庫の在庫管理が鍵となります。在庫品の種類や保管方法に適した業務ラックを選び、管轄ごとにまとめて分類・整理することがポイントです。スムーズな棚卸し作業や在庫管理を実現することで、コストカットや工数削減につなげましょう。